※最大限にネタバレを含みますのでご注意ください!
アイシールド21は漫画派だったので主題歌もあまり聴き込んでいません。でもHIPHOPが好きな僕に刺さったBACK-ONさんの『BLAZE LINE』を聴きながら、タイピングしてテキストを執筆しております。ちなみに『flower』なんかもよかったですね。
それはまるで麦わら帽子のよう。
誰とも約束していない、それでも、僕の大事な「何か」を守ってくれたもの。
他作品を使うのはあれかもですが、(しかしこの作品も偉大!)『ONE PIECE』のシャンクスがくれた麦わら帽子のように思い起こせるもの、なんです。いや、稲垣先生たちがシャンクス役だったのかもしれません。
セナは読切ではなく作品内で「戦う権利がある、それを使っても使わなくてもいい」というニュアンスの言葉をヒル魔からかけられます。ストーリーの構成上、ヒル魔はセナを導く先輩でした。神には祈らない悪魔のような男、ただし、アメフトにだけは紳士――そんな彼を、成長したセナは読切で全力で倒しにいきます。
アメフト、そしてプレイヤーのセナは、戦う権利を行使します。
そして痺れる「最適解」、もう全人類はAIに適わない世界になっているんでしょう、チンパンジーじゃなかった(でも強ち間違いじゃないのかも)一般人の僕も、そう実感はないです。でも、そうです、昨日、英語のスピーチで話題になった大谷選手たちはきっと、他には藤井名人や、研究者さんたちは、そういうものと戦っている!そこまでいけなくても、もう若くない僕も、そんな風に生きることができたら――そう思わせてくれる描写でした。
とてつもないほど恐縮ですが、稲垣先生は、ヒル魔を主人公向けにしたコンセプトの千空を描いたことでセナが彼を超えるという描写が素晴らしいことに気づいたのではないだろうか、と考えます(完全に想像です)。
僕の「何か」を守ってくれたもの、その作品の一つがこのアイシールド21でした。
二十歳のとき、統合失調症を患った僕――未だに原因不明、まあ、家から出られないくらいにはなりました。
そのとき、親に無理を言って全巻揃えた漫画、それがアイシールド21です。
よくわからないけれどボロボロに傷ついて、心が動けなくなって動かなくなったような感覚でした。
でも、アイシールド21を読んでいると、泣けてくるんです。
どこかへ置いてきたような「悔しさ」、が、僕を心の底から感動させて、動かしてくれる。
トリリオンゲームで、ドラマの方なのでオリジナルのシナリオだとあれですが、「心が震えるような感動」が人を動かす、というテーマがありました。
病気と闘うことができるくらいの、心の底からの感動をいただいた作品です。
間違いありません。
そろそろこの受け取った麦わら帽子を、僕も若くないので、次の世代に何かで伝えられたらいいな、と思うんですが。
なかなか難しいですよね、はは。
いやーこういうのがよくないんですよ、「俺は最高の天才だ」くらい書かないといけません。
これがきっと、稲垣先生、村田先生からいただいた、僕の『心のアイシールド21』で、『最高の称号』、なのか、もしれない、なー、って、セナみたいに自信なくなって終わりましょう。
ドンが単刀直入じゃないとこ笑いました!